ホーム » 革がわかるQ&A » 【Q&A】原料皮の種類による特徴を教えてください。

faq

2011.6.08

【Q&A】原料皮の種類による特徴を教えてください。

1)牛皮
皮革製品の大部分は牛革であり原皮の80%以上を輸入でまかなっています。
なお、牛革にはいろいろの種類があります。
●カーフ(子牛皮)生後6ヶ月位の若い仔牛。薄手でキメが細かく、靴、袋物、衣料などの高級品が用途です。
●キップ(中牛皮)生後約1年以内のもの。カーフよりやや厚手で上質です。
●カウ(雌牛皮)生後約2年のメスの成牛。キメは荒くなります。
●ステア(去勢雄牛皮)生後3~6ヶ月以内に去勢したオスの成牛。牛革製品中で最も多く利用されています。
●ブル(中牛皮)生後約3年以上のオスの成牛。厚手で丈夫ですがキメや繊維組織が大変に荒くなります。

2)バッファロー(水牛)
水牛の皮は厚く肩の上に粗い大きいしわがあり、繊維組織が粗くルーズです。
インドネシア、パキスタン、インドおよびタイ等から輸入されています。

3)馬皮
生産数が減少して余り使われなくなりましたが、牛革と較べて強さは1歩を譲るものの、繊維は柔かです。馬革で特長的なのは尻の部分。繊維が緻密で「コードバン」と呼ばれ、高級紳士靴の甲革、かばん、ランドセル、ベルトなどに珍重されています。

4)豚皮
豚皮というよりピッグスキンと呼ばれ、衣料用、靴の裏革用として日本から輸出される唯一の国産原料皮です。摩擦に強く、軽量で、通気性があり、毛穴(三つが一群になっている)のあるのが特徴です。

5)羊皮
羊には種類が多く、皮の性状も多様ですが、ヘアーシープとウールシープに大別されます。熱帯地方ではウール(巻縮している毛)の代わりにヘアー(真直な毛)をもつ羊が飼育されており、この皮はきめの細かい銀面をもち、ゴルフ手袋および衣料革の製造に利用されています。ウールシープは繊維の絡み合いが少なく、軽くて柔軟ですが強度は強くありません。衣料、手袋、袋物、靴の甲革や裏革等に用いられています。仔羊の皮をラムスキンといい、毛皮の原料としても良質です。

6)山羊皮
羊皮より強靭で、充実した繊維組織をもち、非常に耐摩耗性のよい銀面をもっているが、皮がやや硬いのがのが特徴です。ハイセンスな婦人服、手袋等には仔山羊(キッド)が、男子専科の靴、ベルト、札入れなどには成畜の(ゴート)が使われています。

7)爬虫類皮
ワニ、トカゲ、ヘビ、カメなどの皮は、特徴ある銀面模様が珍重され、ハンドバッグ、服飾用ベルト、時計バンド等に用いられます。大変に個性的なこれらの皮革は」、野生動植物保護のもとに、飼育されたもの以外は使用することが出来なくなりつつあります。独特な模様、そして希少性という点で大切にしなければなりません。

8)その他
鹿皮は傷が多いので銀面を除いて使用されることが多いのですが、非常に柔軟で、武具、手袋、衣料などに用いられます。カンガルー皮は比較的薄く、強度が強いのでスポーツシューズなどに好んで使用されます。宮内産業では、ランドセル用としても使用しています。その他、オーストリッチ、サメなどさまざまな皮革が利用されています。

PAGE TOPへ